【ハイポニカを用いた水気耕栽培とは?】
水気耕栽培と水耕栽培とは言葉は似ていますが、『水気耕栽培(通常は水耕栽培と呼ばれています)』とは、水流ポンプを使って液体肥料が入った水を循環させ、水中に酸素を沢山溶け込ませ、植物の根に酸素と栄養が十分に届くようにした栽培方法の事です。 水気耕栽培ではハイポニカが有名で、他の肥料に比べて植物の生長が早いといった声が多く聞かれます。また、農家でも使用実績が豊富な肥料です。ハイポニカは水で500~2000倍に薄めて使用します。協和株式会社からは、ハイポニカを使用し、初めての方にも簡単に水気耕栽培が楽しめるようにデザインした水耕j栽培キット『
ホームハイポニカ』や室内インテリアとしても人気の『
心知菜園(ココチ菜園)』が販売されており、当ショッでも販売しています。 農家でも使用されているというハイポニカですが、そのメリットは次の通りです。
【ハイポニカによる水耕栽培のメリット】 ・土耕と異なり、耕したり草むしりの手間がない。水(液肥)の管理が主な仕事。
・連作障害がない。
・作物の硝酸性窒素分が少なく、安全。
・根が付いたまま野菜を出荷しているが、野菜の新鮮さが長持ちする。
・土耕より成長が早い。
などの声があります。
一方、農家さんのデメリットとしては、
・ハウス栽培なので、初期コストがかかる。
といったご意見があります。
しかしながら、メロンなどは価格も安定しているため、水耕栽培による栽培が試されています。ハウス栽培では害虫対策も行いやすい為、減農薬や無農薬栽培が可能となります。これはハウスの強みでしょうか?しかし実際に、一般的なハウスには人の出入りと共に虫も入り込みますので、ハウス内での害虫トラップなどは必要となります。夜間照明も設置し、作物の生育を早めたり、収穫時期をずらせば、収益アップに繋がります。
一般家庭では、水耕栽培は毎日の水やりから解放されるため、数日間の留守中でも安心です。ミニトマトのベランダ栽培が人気ですが、その他の果物や野菜も、装置をご購入された皆様は、それぞれ独自に研究されていらっしゃいます。まだまだインターネット検索では見つからない植物栽培が行われています。
植物によっては、根が水溶液に浸ることを嫌がる種類もあり、水耕栽培ができない物もあります。しかしながらこの様な植物でも、土耕栽培において、ハイポニカを添加すると、盛んに生育します。ハイポニカは肥料の各成分を適度に希釈していますので、希釈した溶液を土耕用の肥料として用いた場合には肥料方になりません。余談ですが、ワサビなどは、ハイポニカを使用しなくても、水だけで良く育ちます!
皆さんはハイポニカでどのような植物を栽培されますか?お声を頂くのが楽しみです。
【ハイポニカ、水耕栽培をこれから始める方々へ】
弊社がハイポニカを使った水耕栽培を始めるきっけになったのは、弊社が植物工場の設計と施工に携わるようになった為です。既にビニールハウスなどで水耕栽培をされていらっしゃる農家さんでは、ハイポニカ以外の液体肥料を使用されている方々もいらっしゃいました。一番多かったのはハイポニカだけ、あるいはハイポニカをベースとし、それにまた別の肥料を添加されているケースでした。
ハイポには万能の肥料ではありません。言い換えると、商物によっては水気耕栽培を嫌う種類も見受けられます。植物によっては、根が水に浸かったりするだけで腐ったり枯れたりするものもがあります。一方、ハイポニカすら必要とせず、ただの水だけでも十分な植物もあります。植物の種類によっては、ハイポニカを使用すると葉が茂りすぎで、果実を収穫する目的の為には、若干、葉を減らさなければならない植物もあります。例えばイチゴの水耕栽培のように、美味しい物を収穫するには、それなりの手入れをしないと、美味しいイチゴができない植物もあります。水耕栽培が合っている植物においては、ハイポニカを使用すると、土耕の数倍の速度で成長します。
【ハイポニカにうよる水耕栽培装置の種類】
1)水をそのまま溜めておくタイプ
2)水をポンプで流すタイプ
3)液肥を霧にして根に噴霧するタイプ
などがあります。弊社では2)の液肥をポンプで流すタイプの装置を販売しています。この方式ですと、農家さんなど、栽培規模が大きい場合でも、比較的低コストで栽培出来る利点があります。液肥を高い位置から流すと、低い位置に自然に流れていくので、流路を上手く傾斜させると、一箇所から液肥を注入するだけですむからです。ここで注意しなければならないのは、流路があまりに長いと、養分は上流と下流で濃度差が出てしまい、上流よりも下流の植物の方が成長が遅くなったりします。
小規模の場合には、ある一定の割合にハイポニカを希釈した液肥を、装置内の液肥が減った分だけ足せばよいのですが、水分の蒸散が早い夏場と冬場では、植物の吸水量が随分と異なるので、冬場の方が夏場より、液肥中のハイポニカの濃度が少ないまま、栽培する事が多くなります。プロの農家さんは、液肥中の肥料濃度を測定し、水は水で自動で吸水し、ハイポニカはその濃度に応じて追肥していらっしゃいます。
システムに循環させる液体肥料濃度は、主に液肥の伝導率(電気伝導度)で予測します。ハイポニカには窒素やリンなどのイオンが豊富に含まれているので、このイオンが消費されて少なくなると、液肥の伝導度が低下します。しかしこの方法では、正確にどのイオンが減ったかを個別に知ることはできません。栽培品種が固定化すれば、その植物にあった別の肥料を追加する事も一つの手段となります。ハイポニカは一般的な植物に対して広く使用できるように各成分の配合比率を決めてありますが、植物によってそれぞれの肥料成分の要求量が異なります。もし、特定の葉野菜や果物を大規模に生産・販売する場合には、ハイポニカ中のどの成分がどれ程吸収されるかを一度調べてみると良いと思います。成分分析については。弊社または最寄りの農協へご相談下さい。
植物の植え替えの場合のケースですが、ある植物では、ハイポニカだけでは根の成長が遅い植物もありました。この場合、弊社では、根が十分に成長するまで、植物の成長ホルモンを使ってその成長をサポートしました。土耕で成長した植物は、その根を液肥中でも使うというよりは、新たな根を成長させる様な感触があります。
水耕栽培を農業生産に使う場合には、やはりハイポニカによる植物の成長スピードに期待したいところです。そうでないと採算があいません。ハイポニカは一般的には成長が早い葉野菜に使われるケースが多いのですが、メロンなどの単価が高い果物にも応用されているようです。
現在、弊社では、落葉樹にハイポニカをつかって成長試験をしています。実験の比較対象としている土耕のものは落葉しかけていますが、ハイポニカ水耕栽培では落葉する気配がありません。ハイポニカを使用すると、植物は寒さにも強くなるようです。しかしながら、水耕栽培ではポンプなどが若干の熱源にもなっていますので、液肥温度の影響かもしれません。しかしながら、土耕の方は水あげが悪い感じで落葉していくイメージに見えます。ひょっとして、根から十分に水分があがると、植物は落葉しにくいのではないのでしょうか?土耕のものにハイポニカを沢山掛けて見ましたら、落葉を救えませんでした。この結果から、植物の耐寒性はハイポニカ中の成分による効果でないとも示唆されます。 「落葉」「低温耐性」と「ハイポニカ」について、今後も研究を進めて参ります。
どのような植物にハイポニカが合うのか、皆さんで情報交換する場を作りたいと思います。
by ハイポニカ担当
ハイポニカは500mlサイズの他、
ハイポニカ1Lと、
ハイポニカ4Lも取りそろえてございます。