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Q&A: エタノールを含有する液体は凍結乾燥できますか?

 これまでに皆様から、エタノール含有水溶液の凍結乾燥(フリーズドライ)の可否についてのご質問をよく頂きます。
 答えは、『凍結乾燥機の仕様によって異なる』という御答えになります。まず、汎用性が高い一般的な凍結乾燥機で考えますと、真空ポンプは油回転式ロータリー真空ポンプを使用しています。このポンプは有機溶媒を吸い込むと、それが真空ポンプ内部の潤滑オイルにとけこみ、これによって到達真空が悪くなります。また、オイルの寿命を短くします。オイルにエタノールがが混入すると、それには水もとけ込むことができるため、ポンプ寿命が短くなります。では、その他のポンプで使える真空ポンプがないかというと、あります。いわゆるオイルを使用しない、ルーツ式やスクリュー式ドライポンプです。これなら気化したエタノールを吸い込んでも、真空引きには問題が生じません。しかし少々高価です。
 では、その他の箇所でエタノールが問題になるところはというと、冷却トラップの問題があります。エタノールの凝固点は−114.5℃。つまり、これを凍結乾燥機の冷却トラップで個体として凝結させて捕捉するには、少なくともこの凝固点温度よりも20℃程度は低い-140℃位に冷却できるトラップが必要となります。となると、トラップは液体窒素などを使用しないと困難でしょうし、仮に冷却トラップを作るとしても、かなり大掛かりになってしまいます(製造は可能)。液体窒素トラップは市販されていますので、これを用いる事ができますが、24時間、液体窒素の残量を気にしないといけませんし、液体窒素タンクがある環境でないと、補充も大変です。
 「試料は少ないので、ラボレベルでもっと簡単にできないのか?」ということでしたら、以下の方法もあります。
 エタノールだけを先に飛ばす方法です。冷凍庫や超低温冷凍庫(ディープフリーザー)で固化した試料をデシケーターなどの密閉容器に入れ、デシケーターごと−30℃以下で冷却しながらダイヤフラプポンプや卓上の水流ポンプなどで減圧する方法です。試料からプクプク(エタノールだけが沸騰)とあわがでて、エタノールだけが先に気化していきます。こうして、ある程度のエタノール除去が終わったら、通常の真空凍結乾燥機でフリーズドライ乾燥させることができます。プクプクの泡によって、少々の大事なサンプルが飛散することが許されるなら、このような冷却環境でのエタノール選択除去法があります。
 多量のエタノールが油回転式ロータリーポンプのオイルに入らなければ大丈夫です。少々のとけ込みは、頻繁なオイル交換で対処可能です。
 以上、ご参考になれば幸いです。

by
セル・ダイアグノスティックス合同会社
技術開発部




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